【決定版】LIMS導入のチェックリスト:必要な資料と成果物

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LIMS(ラボ情報管理システム)の導入は、研究室や品管管理部門にとって大きな変革をもたらします。
ですが、成功のためには、プロジェクトの各フェーズで必要となる資料や納品物を適切に準備することが不可欠です。ラボで用意すべき資料が揃っていないと、計画の遅れに繋がります。
受領すべき書類を失念してしまうと、更新や引き継ぎで問題が生じます。

しかしながら、LIMSの導入においてどのような資料を作成しておくべきか、またメーカーからどのような納品物を受け取る必要があるか、分からないラボも多いでしょう。
本記事では、LIMS導入プロジェクトの準備から完了まで、各フェーズで必要なドキュメントを詳細に解説します。

書類の呼び方はメーカーやラボによって異なることもありますが、押さえるべきポイントは同じです。
これを読むことでプロジェクトがスムーズに進行し、また導入後に「あの資料が無い」と慌てることが無くなります。
導入を検討されている皆様は、ぜひ参考にしてください。

目次

要求定義フェーズ

要求定義フェーズは、LIMS導入プロジェクトの基盤を築く非常に重要なステップです。
このフェーズでは、ユーザーやステークホルダーの要求を明確にし、システムが解決すべき問題や達成すべき目標を具体化します。

このフェーズで必要となる主な資料は、業務フロー図、要求仕様書、データ要件定義書です。
これらの書類はLIMSメーカーが作成することもありますが、理想的にはプロジェクトの最初に社内のメンバーで作成します。
そうすることで、次のようなメリットがあります。

  • 資料を作成する中で、LIMSを導入するより先に解決すべき課題を見つけられる。
  • 自社のニーズや業務プロセスがLIMSメーカーに正確に伝わり、最適な製品や精確な見積もりに繋がる。
  • プロジェクトの長期化を防ぎ、費用を抑えられる。

これらの書類で検討すべき具体的な内容は、次のとおりです。

業務フロー図

業務フロー図は、現在の業務プロセスと新システム導入後の業務プロセスを視覚的に表現した図です。
これにより、システム導入がどのように業務を改善するかが明確になります。

  • 現在の業務フロー
    • 現行の業務プロセスを詳細に記載します。
      現行プロセスの問題点や改善点が明確になります。
  • 新システム導入後の業務フロー
    • 新しいシステムが導入された後の業務プロセスを記載します。
      システム導入による具体的な業務改善点が視覚的に理解できます。
  • ギャップ分析
    • 現在の業務フローと新システム導入後の業務フローの差異を分析し、システム導入によって解決すべき課題を明確にします。

要求仕様書

要求仕様書は、ユーザーやステークホルダーの要求を体系的にまとめたドキュメントです。
これにはシステムが解決すべき問題や、達成すべき目標が詳細に記載されます。

ここで記載された内容に基づいて、後の機能仕様書や受入テスト計画書が作成されます。
開発に入ってから要求事項を変更すると、計画の遅延や費用の増大に直結します。
些細な要求事項も、この段階で抜け漏れなくリストアップするように心がけましょう。

  • 背景と目的
    • プロジェクトの背景や目的を明確に記載します。
      プロジェクトの全体像と目指すべき方向性を理解できるようにします。
  • ビジネス要求
    • プロジェクトが解決すべきビジネス上の問題や達成すべき目標を記載します。
      具体的なKPI(重要業績評価指標)やROI(投資対効果)なども含まれます。
  • ユーザー要求
    • システムを利用するユーザーが必要とする機能やサービスを詳細に記載します。
      ユーザーインターフェースの要件や操作性に関する要求も含まれます。
  • ステークホルダー要求
    • プロジェクトに関与するすべてのステークホルダーの要求を網羅します。
      これには経営層、IT部門、品質管理部門などの要求も含まれます。

データ要件定義書

データ要件定義書は、システムで扱うデータの種類、フォーマット、保存方法などの要件を記載したドキュメントです。
データの整合性と品質を確保するために重要です。

  • データ項目の定義
    • システムで扱うすべてのデータ項目を詳細に定義します。
      データの名称、型、フォーマット、制約条件などが含まれます。
  • データフロー
    • データがシステム内外、システム間でどのように流れるかを記載します。
      データの入力、処理、出力の各ステップが明確になります。
  • データ品質要件
    • データの正確性、一貫性、完全性を確保するための要件を記載します。
      データのバリデーションルールやクレンジング手法などが含まれます。
  • データセキュリティ要件
    • データの機密性と安全性を確保するための要件を記載します。
      アクセス制御や暗号化の要件が含まれます。

要求定義フェーズは、LIMS導入プロジェクトの成功に向けた最初の重要なステップです。
このフェーズで上記の資料を適切に作成・管理することで、システムが実際の業務要件を満たし、期待通りの成果を達成することができます。
これらのドキュメントはプロジェクトの全体像を明確にし、次のフェーズへのスムーズな移行を支援します。

プロジェクト管理フェーズ

プロジェクト管理フェーズは、LIMS導入プロジェクトの全体を通じて計画と管理を行う重要なステップです。
このフェーズでは、プロジェクトの進行を円滑に進めるための計画書を作成し、リスク管理やコミュニケーションのルールを設定します。

LIMSメーカーも参画し、導入するシステムの内容が具体化されていくフェーズです。
このフェーズで作成される主な資料とその内容は以下のとおりです。

プロジェクト計画書

プロジェクト計画書は、プロジェクトの全体像を明確にし、進行を管理するためのドキュメントです。
進行状況を管理し、問題が発生した場合に迅速に対応することができます。

これにはプロジェクトの概要、範囲(スコープ)、体制、ステークホルダー、予算、スケジュール、コミュニケーションルール、リスクなどが記載されます。

  • プロジェクトの概要
    • プロジェクトの目的、背景、目標を明確に記載します。
      プロジェクトの方向性が全員に共有されます。
  • スコープ
    • プロジェクトの範囲を明確に定義します。
      プロジェクトで実施する作業と実施しない作業の両方が含まれます。
      スコープを明確にすることで、プロジェクトのブレを防ぎます。
  • プロジェクト体制
    • プロジェクトに関与するメンバーの役割と責任を明確に記載します。
      プロジェクトマネージャー、チームリーダー、開発者、テスターなどの役割が含まれます。
  • ステークホルダー
    • プロジェクトに関与するすべてのステークホルダーをリストアップし、それぞれの役割と期待を明確にします。ステークホルダーとの良好な関係を維持できます。
  • 予算
    • プロジェクトの予算を詳細に記載します。
      開発費用、テスト費用、トレーニング費用、運用費用などが含まれます。
  • スケジュール
    • プロジェクトのスケジュールを詳細に記載します。
      各フェーズの開始日と終了日、重要なマイルストーンが含まれます。
  • コミュニケーションルール
    • プロジェクトチーム内外でのコミュニケーションのルールを明確に記載します。
      定期的な会議のスケジュール、報告書のフォーマット、連絡手段などが含まれます。
  • リスク管理
    • プロジェクトにおける潜在的なリスクを特定し、その対策を記載します。

プロジェクト管理フェーズは、LIMS導入プロジェクトの成功を左右する重要なステップです。
プロジェクト計画書を適切に作成し、計画的にプロジェクトを進行することで、リスクを最小限に抑え、スムーズなプロジェクト進行が可能となります。

システム設計フェーズ

システム設計フェーズは、システムの具体的な設計を行う重要なステップです。
システムの機能や性能、信頼性を具体的に定義し、詳細な設計を行います。
このフェーズで必要となる主要な資料とその内容について、詳細に説明します。

機能仕様書

機能仕様書は、システムが実現すべき機能を詳細に記載したドキュメントです。
各機能の動作やインターフェースが含まれます。

一般的にはラボとLIMSメーカーで協力して作成することが多いです。
要求仕様書に挙げた内容が全て含まれているか、認識に齟齬が無いか、些細な違和感も解消しておきましょう。
開発に入ってからの仕様変更は、プロジェクトの進行に大きく影響します。

  • 機能一覧
    • システムが提供するすべての機能をリストアップし、システムの全体像を明確にします。
  • 機能の詳細説明
    • 各機能の目的、入力データ、出力データ、処理の流れなど、詳細な説明を記載します。
  • ユーザーインターフェース(UI)仕様
    • ユーザーがシステムを操作するためのインターフェースの設計を記載します。
      画面レイアウト、ナビゲーション、入力フォーム、ボタンなどが含まれます。
  • ユースケース図
    • ユーザーがシステムをどのように利用するかを視覚的に表現した図です。
      ユーザーの操作フローが明確になります。
  • 機能間の連携
    • 各機能がどのように連携するかを記載し、システム全体の統合性を確保します。

非機能仕様書

非機能仕様書は、システムの性能やセキュリティ、信頼性など、機能以外の要件を記載したドキュメントです。
システムの品質を確保するために重要です。

  • 性能
    • システムの応答時間、処理速度、スループットなどの性能に関する要件を記載します。
  • セキュリティ
    • システムのセキュリティに関する要件を記載します。
      これには、認証・認可、データの暗号化、アクセス制御などが含まれます。
  • 信頼性
    • システムの可用性、フォールトトレランス、バックアップ・リカバリなどの信頼性に関する要件を記載します。
  • スケーラビリティ
    • システムが将来的に拡張可能であるかどうかを記載します。負荷分散、クラウド対応などが含まれます。
  • 運用・保守
    • ログ管理、モニタリング、定期メンテナンスなど、システムの運用・保守に関する要件を記載します。

設計仕様書

設計仕様書は、システムの各コンポーネントやモジュールの詳細な設計を記載したドキュメントです。
これによって、開発者が具体的な実装方法を理解できます。
基本的にLIMSメーカーが作成しますが、社内のITチームにも協力を仰ぐと良いでしょう。

  • アーキテクチャ設計
    • システムの構成要素、データフロー、通信プロトコルなど、全体のアーキテクチャを記載します。
  • データベース設計
    • データベースのスキーマ設計を記載します。
      テーブル構造、リレーション、インデックス、ビュー、ストアドプロシージャなどが含まれます。
  • モジュール設計
    • 各モジュールの目的、入力・出力データ、処理ロジック、インターフェースなど、詳細な設計を記載します。
  • インターフェース設計
    • システム内外のインターフェースの設計を記載します。
      API仕様、データフォーマット、通信プロトコルなどが含まれます。
  • エラーハンドリング設計
    • エラーの検出方法、ログの記録、ユーザーへの通知方法など、エラー発生時の処理方法を記載します。

システム設計フェーズは、LIMS導入プロジェクトの成功に向けた重要なステップです。
このフェーズで機能仕様書、非機能仕様書、詳細仕様書を適切に作成・管理することで、システムが期待通りの性能と機能を提供し、信頼性の高いシステムを構築することができます。
これらのドキュメントは、開発フェーズにおける具体的な実装の指針となり、プロジェクトのスムーズな進行を支援します。

開発フェーズ

開発フェーズは、LIMS導入プロジェクトにおいて実際にシステムを開発する重要なステップです。
このフェーズでは、プログラムコードの作成、変更管理、テスト計画と実施などが行われます。
以下に、このフェーズで必要となる主要な資料とその内容について詳細に説明します。

ソースコード

ソースコードは、システムのプログラムコードそのものです。
コードの品質と可読性を保つために、適切なコメントやドキュメントが必要です。
今後のバージョンアップや機能追加、LIMSの置き換え(リプレイス)に備えて、プロジェクト完了時には確実に受領しましょう。

  • コードの構成
    • ディレクトリ構造やファイルの配置を明確にします。コードの管理と理解が容易になります。
  • コーディング規約
    • コードの書き方に関する規約を定めます。
      命名規則、インデントスタイル、コメントの書き方などが含まれます。
  • コメントとドキュメント
    • 各関数やクラスの目的、引数、戻り値などをコメントで記載します。
      また、重要なアルゴリズムや処理の流れについてもドキュメント化します。

変更管理記録

変更管理記録は、プロジェクト中に行われた変更やその理由を記録したドキュメントです。
変更の履歴を追跡し、問題が発生した場合に原因を特定できます。

  • 変更要求
    • 変更の背景、目的、影響範囲など、変更の要求内容を記載します。
  • 変更の承認
    • 変更要求が承認されたかどうかを記録します。承認者の名前と承認日が含まれます。
  • 変更内容
    • 変更されたファイルやコードの部分、変更の理由など、実際に行われた変更の詳細を記載します。
  • 変更の影響
    • 変更がシステム全体に与える影響を記載します。性能やセキュリティへの影響などが含まれます。
  • 変更のテスト結果
    • 変更後に実施されたテストの結果を記録します。
      変更が正しく実装されたかどうかを確認できるようにします。

テスト計画書

テスト計画書は、LIMSメーカーが実施するテストの目的、範囲、手法、スケジュールを記載したドキュメントです。
テストが計画的に実施され、システムの品質が保証されるように作成します。
テストの方法や想定するモデルケースに抜け漏れが無いか、改めて確認しましょう。

  • テストの目的
    • システムの品質保証、バグの検出、性能の確認など、テストの目的を明確に記載します。
  • テスト範囲
    • テストの対象となるシステムの部分を明確にします。
      機能テスト、非機能テスト、統合テストなどが含まれます。
  • テスト手法
    • テストの手法を詳細に記載します。
      ブラックボックステスト、ホワイトボックステスト、回帰テストなどが挙げられます。
  • テスト環境
    • ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク設定など、テストが実施される環境を記載します。
  • テストスケジュール
    • 各テストケースの開始日と終了日、重要なマイルストーンなど、テストのスケジュールを詳細に記載します。
  • テストリソース
    • テストに必要なリソース(人材、ツール、設備など)を記載します。

テスト結果報告書

メーカーテストの実施結果をまとめたドキュメントです。テストの成功・失敗の要因や改善点が記載されます。
テストの結果に不備が無いか、しっかりと確認しましょう。

  • テストケースの概要
    • テストケースの目的、入力データ、期待される出力など、各テストケースの概要を記載します。
  • テスト実施結果
    • 実際の出力、合否判定、発見されたバグなど、各テストケースの実施結果を詳細に記載します。
  • バグの詳細
    • バグの再現手順、影響範囲、優先度、修正状況など、発見されたバグの詳細を記載します。
  • テストの総合評価
    • テスト全体の評価を記載します。テストの達成度、未解決の問題、次回の改善点などが含まれます。

開発フェーズは、LIMS導入プロジェクトの中でシステムを実際に構築し、品質を保証するための重要なステップです。
このフェーズでソースコード、変更管理記録、テスト計画書、テスト結果報告書を適切に作成・管理することで、システムが期待通りの性能と機能を提供し、信頼性の高いシステムを構築することができます。
これらのドキュメントは、開発プロセスの透明性を高め、プロジェクトのスムーズな進行を支援します。

運用準備フェーズ

運用準備フェーズは、システムの運用を開始するための準備を行う重要なステップです。
このフェーズでは、運用マニュアルやユーザーマニュアル、トレーニング資料などを作成し、システムのスムーズな運用開始をサポートします。
以下に、このフェーズで必要となる主要な資料とその内容について詳細に説明します。

受入テスト計画書

ユーザー受入テストの計画を記載したドキュメントです。
システムがユーザーの要求を満たしているかを確認できるようにします。
ラボの受入可否を確認することが目的であるため、この書類は社内で作成することが理想です。

具体的な内容は次のとおりです。

  • テストの目的
    • 受入テストの目的を明確に記載します。
      システムがユーザーの要求を満たしているかどうかを確認することが重要です。
  • テスト範囲
    • 受入テストの対象となるシステムの部分を明確にします。
      機能テスト、性能テスト、ユーザビリティテストなどが含まれます。
  • テスト手法
    • ブラックボックステスト、ユーザーインタビュー、アンケート調査など、受入テストの手法を詳細に記載します。
  • テスト環境、テストスケジュール、テストリソース
    • 受入テストの環境、スケジュール、リソースを記載します。内容は前述のテスト計画書と同様です。
  • テスト基準
    • 合格基準、不合格基準、再テストの条件など、受入テストの合否基準を明確に記載します。

運用マニュアル、運用手順書

システムの運用方法や具体的な手順、ルール等を記載したドキュメントです。
運用担当者がシステムを正しく管理・運用するために必要です。
これによって運用を効率化し、トラブルを予防します。

  • システム概要
    • システムの全体像と基本的な機能を説明します。
      運用担当者がシステムの基本的な構造を理解できるようにします。
  • 運用手順
    • システムの起動と停止、定期的なメンテナンス作業、データのバックアップ手順など、日常的な運用手順を詳細に記載します。
  • 変更管理手順
    • システムに変更を加える際の手順を記載します。
      変更の要求、承認、実施、テスト、ドキュメントの更新などが含まれます。
  • トラブルシューティング
    • 一般的な問題やエラーの対処方法を記載します。
      エラーメッセージの意味と対応策、システムのリカバリ手順などが含まれます。
  • 非常時対応手順
    • システム障害や緊急事態が発生した場合の対応手順を記載します。
      障害の検出方法、初動対応、エスカレーション手順などが含まれます。
  • 監視とログ管理、定期点検手順
    • システムの監視方法とログの管理方法、定期的な点検作業の手順を記載します。
      監視ツールの設定、ログの収集と解析方法、ハードウェアのチェック、ソフトウェアのアップデートなどが含まれます。
  • セキュリティ管理
    • システムのセキュリティ管理に関する手順を記載します。
      ユーザーの認証と認可、セキュリティパッチの適用方法、アクセス制御の設定などが含まれます。

ユーザーマニュアル

エンドユーザーがシステムを利用するための手引きです。
ユーザーがシステムを効果的に利用できるようにサポートします。

  • システムの概要
    • ユーザーがシステムの全体像を理解できるよう、システムの目的と基本的な機能を説明します。
  • 操作手順
    • 画面のスクリーンショットやステップバイステップの説明を交え、システムの各機能の操作手順を詳細に記載します。
  • FAQ
    • よくある質問とその回答を記載します。
      ユーザーが直面する一般的な問題を自己解決できるようにします。
  • トラブルシューティング
    • エラーメッセージの意味と対応策、システムのリカバリ手順など、一般的な問題やエラーの対処方法を記載します。
  • サポート情報
    • 技術サポートや問い合わせ先の情報を記載します。
      ユーザーが問題を報告し、サポートを受ける方法を明確にします。

運用準備フェーズは、LIMS導入プロジェクトの中でシステムの運用を開始するための重要なステップです。
このフェーズで受入テスト計画書、運用マニュアル、ユーザーマニュアルを適切に作成・管理することで、システムがスムーズに運用開始され、ユーザーがシステムを効果的に利用できるようになります。
これらのドキュメントは、運用の効率化とトラブルの予防に役立ち、プロジェクトの成功を支援します。

まとめ

LIMS導入プロジェクトは、研究室や品管管理部門にとって非常に重要な取り組みです。
成功するためには、各フェーズで必要となる資料や納品物をしっかりと準備し、プロジェクトを計画的に進めることが不可欠です。
今回紹介した書類を次にまとめました。

  1. 要求定義フェーズ
    • 業務フロー図
    • 要求仕様書
    • データ要件定義書
  2. プロジェクト管理フェーズ
    • プロジェクト計画書
  3. システム設計フェーズ
    • 機能仕様書
    • 非機能仕様書
    • 設計仕様書
  4. 開発フェーズ
    • ソースコード
    • 変更管理記録
    • テスト計画書
    • テスト結果報告書
  5. 運用準備フェーズ
    • 受入テスト計画書
    • 運用マニュアル、運用手順書
    • ユーザーマニュアル

これらのドキュメントを適切に準備・管理することで、LIMS導入プロジェクトの成功を確実にし、ラボの業務効率化と品質向上を実現することができます。
また、これらの書類を受領していないと、導入後の更新や機能追加が大変になります。
プロジェクトが完了する前には、揃っていることを念入りに確認しましょう。

成功への道のりは決して簡単ではありませんが、計画的なアプローチと適切なドキュメント管理によって、道程をスムーズにすることは可能です。
今回の内容が皆さまのプロジェクトのお役に立てば幸いです。

目次