【必見】LIMSの失敗を防ぐ、支援サービスの効果
LIMS(ラボ情報管理システム)の導入は、研究所や品質管理部門にとって大きな進化の一歩です。
しかしながら、その導入プロセスには多くの課題が伴います。
プロジェクトが上手くいかない場合、期日までに検収が終わらなかったり、予算をオーバーしたり、最悪の場合やり直しになります。
このような事態を防ぐためには、LIMS導入に詳しいプロの力を借りることが重要です。
本記事では、LIMS導入における主要な課題、支援サービスの重要性、そしてそれを受ける具体的なメリットについて、詳しく解説します。
今回の記事を読むことで、よくある失敗を大きく減らせます。
LIMSの導入は投資額も期間も掛かるプロジェクトですから、確実に成功させたいですよね。
皆さまのラボがより良くなるよう、詳細に解説していきます。
LIMS導入における課題
LIMSの導入は、研究所や品質管理部門にとって多くのメリットをもたらしますが、その過程には多くの課題が伴います。
まずはLIMSの導入で多くのラボが直面する、代表的な課題について詳しく説明します。
システムの選定
LIMS市場には多種多様なシステムが存在し、それぞれのメーカーや製品に特徴や強みがあります。
また、ラボの業務や課題、システムの使い方も様々です。
そのため、自分たちのニーズに最適なシステムを選定することが非常に重要です。
システム選定の主な手順は次のとおりです。
- 要件の明確化:自分たちの業務フローやデータ管理のニーズを明確にし、それに基づいてシステムの選定基準を設定する必要があります。
- メーカーの比較:複数のメーカーから提供されるシステムを比較し、機能や価格、サポート体制を総合的に評価します。
- デモンストレーションの実施:候補となるシステムのデモンストレーションを実施し、実際の操作感や機能の使い勝手を確認します。
簡潔にまとめるとこれらのステップで選定を進めますが、この作業を適切に実行するのは非常に困難です。
理由の一つは、要件を客観的に明確化してメーカーに伝えるためには相応のスキルが必要であるためです。誰でもできるわけではありません。
そしてここが一丁目一番地であるため、少しでも認識に齟齬があると、後のステップへ大きく影響します。
開発が始まってから「思っていたのと違う」と失敗に気付くパターンは珍しくありません。
また、各メーカー・製品を正しく比較して理解することも容易ではありません。
メーカーは成約に向けて自社製品のメリットを強調し、デメリットを隠す傾向にあります。
機能や価格などは比較的分かりやすいですが、拡張性や開発・サポート体制などは評価も難しくなります。
表に出てこない、業界関係者しか知らない裏事情もあります。
これらを見抜いて適切な製品を選定するためには、一般的なLIMSの機能と、自社ニーズの実現方法をあらかじめ理解した上で、メーカーの説明に参加する必要があります。
しかしながら、多くのラボにとってLIMSの導入は初めてか、多くても数回目であるため、これらの知識に乏しいことが実情です。
したがって、多数のLIMSから何となくで選ばざるを得ず、契約した後になって「あちらにしておけば良かった」と失敗するケースが少なくないのです。
カスタマイズの必要性
LIMSは汎用的なシステムであるため、各ラボに特有のニーズに合わせてカスタマイズが必要である点も困難さに拍車を掛けます。
- 業務フローの分析:現行の業務フローを詳細に分析し、LIMSの標準機能でカバーできないカスタマイズ要件を洗い出します。
- カスタマイズの計画と実施:カスタマイズの範囲や内容を計画し、システム設定や追加開発を行います。
- テストと検証:カスタマイズ後のシステムが正確に機能するかどうかを確認するため、テストと検証を実施します。
業務フローの分析はシステムの選定時と同様ですが、ニーズの度合いやコストパフォーマンスを考慮して、カスタマイズが必要か、運用で対応すべきか、またカスタマイズの方法が妥当かを判断する必要があります。
検証においても、業務の性質や流れを踏まえて、テストケースや例外処理を漏れなくリストアップしなければなりません。
もし抜け漏れがあった場合、後で追加の開発と費用が発生し、計画も遅延します。
しかしながら、LIMSメーカーのプログラマは現場作業に精通しているわけではないため、全てのケースを網羅することは難しいです。
一方、ラボの研究開発者もシステムに強い方は多くないため、IT的な観点でモレ無く・ダブり無く場合分けすることは困難です。
したがって、ラボの業務にもITにも詳しい知見を有する、プロのサポートを受けることが有効となります。
データ移行と統合
Excelファイルや既存システムで保管している過去データを新しいLIMSに移行したり、LIMSと他のシステムを統合することは、導入プロセスの中でも特に複雑な課題です。
- データクレンジング:移行前に既存データの整備を行い、不整合や重複を排除します。
- データマッピング:既存システムのデータ構造と新しいLIMSのデータ構造を比較し、データマッピングを行います。
- 統合:他のシステムとデータを連携できるよう、統合機能を開発します。
過去データの移行においては、まず過去データとLIMSそれぞれの体系を整理し、理解する必要があります。
また過去データが何らかのシステムで管理されていない場合、クレンジングが必要となるケースが特に増加します。
その上で各過去データのテーブル・フィールドがLIMSのどこと対応するかをマッピングし、必要に応じて追加も検討します。
また、他システムとの統合は関係者が増え、調整が必要になるため、さらに難易度が上がります。
連携するデータをどちらのデータベースに持たせるか、連携方法や頻度、エラー時の処理はどうするか、どのようなユーザーインターフェースが使いやすいか等、検討すべき事項は膨大です。
データ、システム、現場のいずれにも詳しい人が間を取り持つ必要があるでしょう。
予算管理
LIMSの導入には多額の投資が必要であり、予算管理が重要な課題となります。
具体的には次の要素が必要です。
- コスト見積もり:導入にかかる全体のコストを見積もり、予算を設定します。
- 費用対効果の分析:導入による効果を定量的に評価し、費用対効果を分析します。
- 予算の管理:プロジェクト進行中に発生する追加費用や予期せぬコストに対して、予算を適切に管理します。
往々にして初期の工数と費用の見積もりは概算で、開発が始まると柔軟な対応が求められます。
ラボは精確にニーズを洗い出してLIMSメーカーに伝えることが難しく、メーカーも全ての要望を汲み取ることは困難であるためです。
したがって、プロジェクトの途中で追加の開発や費用が生じることは珍しくありません。
かといって、計画していた予算を大幅に超える支出は避けなければなりません。
ただでさえLIMSの投資額は大きくなりがちですので、わずかな変更でも多額の費用を要することがあります。
そのためには見積もりの精度を上げ、要件に優先順位を付け、変更が生じた場合に適切な判断を下す必要があります。
これらはLIMSの導入経験がものを言いますので、経験豊富なコンサルタントのサポートが活きるでしょう。
この章では、LIMS導入における主要な課題について、5つの観点から詳細に説明しました。
これらの課題を理解し、適切に対処することで、LIMS導入の成功確率を高めることができます。
支援サービスの重要性
LIMSの導入は、多くのラボにとって大きな転換点となります。
しかしながらその過程は複雑であり、ここまで紹介したように、多くの課題が存在します。
そしてプロジェクトが上手くいかなかった場合には、年単位の計画の遅れや、数千万円レベルの追加費用が掛かります。
このような失敗は避けたいところです。
そこで有効な予防策となるのが、LIMSの導入に精通したプロの手を借りることです。
ラボにもシステムにも詳しい専門家の支援を受けられれば、前述した課題のほとんどは未然に防げるでしょう。
失敗した時のリスクの大きさや、得られるサポートの充実を考えれば、そのコストは決して高くありません。
そこで、LIMSの導入における支援サービスの重要性について、以下に詳しく説明します。
専門知識と経験
LIMSの導入は単なるソフトウェアのインストールとは異なり、業務プロセスの見直しや効率化を図る大規模なプロジェクトです。
コンサルタントは多くの導入事例を持っており、以下のような専門知識と経験を活かして最適な方策を提供します。
また、表には出てこない、業界情報にも通じています。
- 業界特有のニーズの理解:ラボの業務フローや規制要件に精通しているため、適切なシステム選定が可能です。
- ベストプラクティスの提供:過去の成功事例や失敗事例から学んだ経験を活用し、効率的な導入をサポートします。
現場第一の立場
LIMSの導入には多くのステークホルダーが関与します。
例えば測定担当者、研究開発者、グループリーダー、部長、設備担当者、ITシステム担当者、DX推進部、経営層、LIMSメーカー、分析機器メーカーなどが挙げられます。
それぞれの立場にはそれぞれの思惑があり、提案や要求がラボのメリットを最優先していないことも少なくありません。
例えば一例として、次のような力場が働きます。
- 測定担当者:慣れ親しんだ現状を維持したい。新しいシステムやITを使いたくない。
- 経営層:費用対効果を重視。現場の使いやすさや業務フローなど定性面を軽視する。
- 設備担当者、ITシステム担当者:新設や更新の負荷をなるべく小さくしたい。
- LIMSメーカー:製品を売り、カスタマイズをなるべく抑えたい。
これら各方面への配慮は重要ですが、それによってラボが本来有する目的が果たされなければ、LIMSを導入する意味がありません。
一方、コンサルタントはラボの依頼で参画し、社内外のしがらみも無いため、ラボのメリットを最優先に考え、助言できる立場にいます。
また成果にコミットしているため、極端に現場の意見のみを重視するのではなく、会社全体の利益の最大化に注力できるでしょう。
カスタマイズのサポート
LIMSは汎用的なシステムであるため、各研究所や品質管理部門の特有のニーズに合わせたカスタマイズが必要です。
コンサルタントは以下のようなサポートを提供します。
- 要件定義:現行業務の分析を行い、LIMSに必要な機能やカスタマイズ要件を明確にします。
- カスタマイズの実施:システムの設定変更や追加開発を行い、業務に最適化されたLIMSを構築します。
- テストと検証:カスタマイズ後のシステムが正確に機能することを確認するためのテストと検証を実施します。
プロジェクト管理
LIMS導入は多くのステークホルダーが関与する大規模なプロジェクトです。
コンサルタントはプロジェクト管理の専門家として、以下のような役割を果たします。
- プロジェクト計画の策定:導入スケジュールやリソース配分を計画し、効率的なプロジェクト進行を確保します。
- リスク管理:導入過程で発生する可能性のあるリスクを予測し、適切な対策を講じます。
- 進捗管理:プロジェクトの進行状況を定期的に確認し、必要に応じて調整を行います。
この章では、LIMS導入における支援サービスの重要性について説明しました。
プロのサポートを受けることで、プロジェクトの成功確率は大きく向上するでしょう。
支援サービスを受ける具体的なメリット
LIMSの導入においてプロの支援サービスを受けることで、様々なメリットを享受できます。
ここからはその具体例をいくつか紹介します。
導入期間の短縮
LIMS導入は通常、複雑なプロセスを伴い、年単位の時間が掛かります。
プロジェクトの途中で計画の変更が相次ぎ、大幅に遅延することも珍しくありません。
ですがプロの支援を受けることで、導入期間を大幅に短縮することが可能です。
- 迅速な要件定義:コンサルタントは経験豊富であるため、迅速かつ的確に要件を定義し、導入プロジェクトの初期段階をスムーズに進めることができます。
- 効率的なプロジェクト管理:プロジェクト計画の策定から進捗管理まで、効率的に行うことで、導入期間を短縮します。
- 問題解決の迅速化:導入中に発生する問題や課題を迅速に解決し、プロジェクトの停滞を防ぎます。
初期投資の最適化
LIMS導入には大きな初期投資が必要ですが、プロの支援を受けることで、その投資を最適化することができます。
- コスト効率の向上:コンサルタントは最適な方策を提案し、不要なコストを削減します。
- ベンダー交渉の支援:システムベンダーとの交渉をサポートし、より有利な契約条件を引き出すことができます。
- リソースの適切な配分:プロジェクトに必要なリソースを適切に配分し、無駄な支出を防ぎます。
長期的な運用コストの削減
LIMSを導入した後の運用コストも重要な要素です。
導入自体も大きなプロジェクトですが、これは始まりに過ぎません。
プロの支援を受けることで、長期的な運用コストも削減することができます。
- システムの最適化:業務フローに最適化されたシステムを構築することで、運用効率を向上させ、コストを削減します。
- トレーニングと教育の充実:ユーザー教育を徹底することで、システムの誤操作やトラブルを減少させ、運用コストを抑えます。
- 継続的なサポート:導入後も継続的なサポートを受けることで、システムの安定稼働を維持し、メンテナンスコストを削減します。
システムの安定稼働
LIMSの安定稼働は、研究所や品質管理部門の業務にとって非常に重要です。
システムが不安定だと、業務が滞ったり、セキュリティリスクが増大します。
プロの支援を受けることで、システムの安定稼働を確保することができます。
- トラブルシューティング:システム導入後に発生するトラブルを迅速に解決し、業務の中断を最小限に抑えます。
- 定期的なシステムチェック:定期的なシステムチェックを実施し、潜在的な問題を早期に発見・対応します。
- アップデートとメンテナンス:システムのアップデートやメンテナンスを適切に行い、最新の状態を維持します。
業務プロセスの最適化
LIMS導入は単なるシステムの導入にとどまらず、ラボの業務プロセスの最適化にもつながります。
様々な現場を経験しているプロのサポートを受けることで、この効果を最大限に引き出すことができます。
- 業務フローの見直し:現行の業務フローを詳細に分析し、効率化のための改善提案を行います。
- ベストプラクティスの導入:LIMSに限らず業界のベストプラクティスを導入し、業務プロセスの最適化を図ります。
- 継続的な改善:導入後も継続的に業務プロセスを見直し、改善を続けることで、さらなる効率化を実現します。
この章では、LIMS導入においてプロの支援を受ける具体的なメリットについて詳細に説明しました。
専門家の力を借りることで、LIMS導入の成功確率が大幅に向上するだけでなく、長期的にメリットを享受することができます。
まとめ
LIMSの導入は、研究所や品質管理部門にとって多くのメリットをもたらしますが、そのプロセスにはさまざまな課題が存在します。
そしてプロジェクトが失敗した場合には、年単位の計画の遅れや、数千万円レベルの追加費用が掛かることも珍しくありません。
このようなリスクを回避し、導入に伴う複雑なタスクを効果的に管理するためには、プロのサポートが不可欠です。
専門家の支援を受けることで、導入期間の短縮、初期投資の最適化、長期的な運用コストの削減、システムの安定稼働、業務プロセスの最適化といった、具体的なメリットを享受することもできます。
これにより、LIMS導入の成功確率が大幅に向上し、ラボの業務効率と品質が飛躍的に向上するでしょう。
コンサルティングには多少のコストが掛かりますが、失敗した時のリスクの大きさや、得られるサポートの充実を考えれば、決して高くはありません。
LIMSの導入を検討している方々には、是非とも専門的な支援を受けることをお勧めします。
プロの知識と経験を活用することで、導入プロセスをスムーズに進め、LIMSの効果を最大限に引き出すことができるでしょう。
弊社でもLIMS導入の支援サービスを提供しています。
初期の相談は無料ですので、ご興味がある方はお気軽にお問い合わせ下さい。
詳細:LIMS支援サービス